スプリントについて
みなさんは歯医者で『スプリント』と聞いたことはありますか？
マウスピースやナイトガードとも呼ばれている、歯科用プラスチックである「レジン」などで作られた可撤式の装置の事をスプリントと言います。
（氷川台歯科クリニックでは『ナイトガード』とご案内しています）
歯ぎしり・くいしばり・顎関節症で悩まれている方、自費の補綴物を入れられた方には取り外し式のマウスピース『 スプリント 』の使用をおすすめしています。
○スプリントをおすすめしたい方と効果は
１.歯がしみる:知覚過敏に効果的
歯がしみる知覚過敏の原因は、歯ぎしりにより歯の根元が露出し、楔（くさび）のように削れてしまうことです。スプリントを使うことによって歯の根元にかかる力を分散して、歯の削れを防いで知覚過敏を改善する効果があります。
２.咬んだ時の痛み:歯根膜炎に効果的
歯ぎしりによって歯が揺さぶられると、咬合時に痛みが生じることがあります。これは歯の根の周りにある歯根膜が炎症を起こしてしまう歯根膜炎が原因です。スプリントによって歯根膜を安静にして、咬んだ時の痛みを少なくする効果があります。
３.顎の痛み:顎関節症に効果的
顎の関節は、頭の骨と顎の骨の間に関節円板という軟骨でできたクッションがあります。歯ぎしりが強いと関節円板がダメージを受け、顎が痛くなります。歯ぎしりによって、歯や歯ぐき・顎にかかる負担は思っている以上に大きいです。スプリントが、歯にかかる負荷を吸収してくれるので、歯や顎にかかる負担を軽減することができ、顎の痛みの軽減と顎関節症の予防につながります。
４.歯の削れ:咬耗に効果的
歯ぎしりは上下の歯をすり合わせることによって、歯が磨り減り、歯が短くなったり、場合によっては歯の神経が出てきてしまうことがあります。歯ぎしりの「ギリギリ」という音は、歯と歯がすれる音です。その時に、歯が削れてしまい、歯に与えるダメージが大きくなります。スプリントを使用することにより、上の歯と下の歯が直接すれ合うことと歯のすり減りを防止し、歯ぎしりの音の軽減にもつながります。
５.セラミックの破折に効果的
歯ぎしりが強い人は、セラミック治療の後に欠けたり割れたりしてしまう方がいます。セラミック治療は体にとってはアレルギーもなくとても有用な治療ですが、歯ぎしりのような強い力が長時間かかり続けると欠けたり、割れたりすることがあります。スプリントを使うことによってセラミックやセラミック治療をした歯を守る効果があります。
６.歯が割れる:歯牙破折に効果的
虫歯でもないのに急に歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたりするのは歯が割れてしまった可能性があります。歯ぎしりが強い方は歯に強い力が加わり続け、割れてしまうことがあるのです。スプリントは歯ぎしりで歯に加わる力を分散し、歯が割れるのを防ぐ効果があります。
また、歯が割れるまでいかなくても小さなヒビ（クラック）が入ってしまうこともあり、見えない所に出来てそこから虫歯になってしまうこともあります。スプリントを使うことにより、ヒビが入ってしまうのを予防する効果があります。
７.歯が揺れる:歯周病に効果的
歯ぎしりによって歯に力が加わると歯が揺さぶられ、歯と歯を支えている骨の間に隙間ができます。その隙間に歯周病菌が感染すると歯周病が急激に進行します。マウスピースは歯ぐきに加わる力を分散して、歯周病の悪化を防ぐ効果があります。
○スプリントの使用法
基本的に毎日、就寝時にはめて使用します。
＊昼間もくいしばってしまう方は、昼も使用します。
なくさないように、専用のケースに入れて保管します。
コロナ禍でマスクをしている時間が長くなっており、無意識のうちにくいしばりをしている方が増えています。気になる事がある方は、スタッフまでお声かけください。
