子供の歯並びと発音について
歯並びと発音は深く関係しています。歯と歯の間に隙間があったり、出っ歯の場合、正確な発音ができないことがあります。滑舌が悪い、舌ったらずと言った印象を与えてしまう場合も考えられます。特にサ行などの歯を擦り合わせ息を飛ばすように出す音や、タ行のような舌先を上顎に密着させ、上顎から舌先を離すことで生まれる破裂音などで顕著になることが多いです。
子供の歯並びは日々のちょっとした癖の積み重ねが原因で悪くなってしまうものです。
例えば口呼吸が習慣になってしまっているお子様は、口周りの筋肉の発達が阻害されそれに伴い顎の発達も進まなくなります。顎は歯並びに大きな影響を及ぼします。
いわゆる受け口と呼ばれている反対咬合は、前歯の噛み合わせが通常と逆であることから、言葉の発音が悪くなりがちです。噛み合わせに隙間ができてしまうことが原因で、歯と舌先が触れるサ行やタ行の発音が難しくなってしまいます。
また、指しゃぶりがやめられないお子様も多くいらっしゃるのではないかなと思いますが、実は指しゃぶりは思いのほか強い力で吸い込んでいて、長期間に及んで習慣化して続けてしまうと歯並びや顎の形に影響して発音のしづらさにつながってしまいます。指を咥えることで上の前歯は前方に押し出され、下の前歯は押さえつけられます。それが原因で出っ歯や奥歯を噛み合わせた時に前歯が噛み合わない開咬という状態になります。
子供の歯列矯正には2つの治療開始時期があります。永久歯が生えそろわないとできないのではないかと思う方もおられるかもしれませんが、永久歯がはえそろう前に始める1期治療、永久歯がはえそろってから始める2期治療とあります。
1期治療に歯並びを正すことには多くのメリットがあります。顎の骨がまだ軟らかく、ある程度顎の成長をコントロールしながら治療を行うことが可能で、この期間に顎の骨を整えれば永久歯がきちんと並ぶ土台を作れます。
これにより、将来歯並びや噛み合わせが悪化するのを予防できます。
また、永久歯列になってからの矯正では顎を拡大することができないため抜歯が必要になったり歯を無理に動かすことになったりする場合もありますが、1期治療から始めると、顎の成長をコントロールしながら治療ができるので、抜歯せずにすむといったメリットもあります。
2期治療は永久歯が生えそろってから行う治療で、いわゆる成人矯正と同じです。しかし、1期治療をしておくことで土台ができていますから、短期間で済むようになります。期間はだいたい1年〜2年程度です。
歯並びを治療することで舌の動きが滑らかになりますので、滑舌や発音は改善する可能性が高くなります。日々の習慣で癖がついてしまう前に、お子様の歯並びや発音で気になることがありましたらできるだけ早く治療を開始することがおすすめです。