スケーリング・ルートプレーニングについて
スケーリング、ルートプレーニング(SRP)とはいわゆる歯石取りにあたる行為の歯科用語です。
それぞれの違いを説明していきます。
◆スケーリングとは
歯面に付着した歯石や沈着物、バイオフィルム(細菌の塊)の除去を行うことです。
スケーリングするための器具には手用スケーラー、超音波スケーラー、エアスケーラーなどがあります。この中でも主に使用されるのは手用スケーラーと超音波スケーラーです。
ちなみに手用スケーラーもシックル型・キュレット型(グレーシー)と分類されます。
手用スケーラーは操作に熟練を要し疲労度も多いが、超音波スケーラーは使用方法が簡便であり硬い歯石、あるいは多量の歯石を短時間で除去できるので患者、術者ともに疲労や苦痛が少ないです。
◆ルートプレーニングとは
細菌や内毒素などによって汚染された病的セメント質や軟化象牙質を除去し、根面を滑沢にすることです。
ルートプレーニングが必要になるのは、主に中等度の歯周病となります。中等度の歯周病では歯肉よりも下、つまり歯周ポケット内部に溜まった歯垢が歯石化していることがあります。歯石を取り除いた後はルートプレーニングで汚染セメント質を除去して歯肉の付着を促し、かち歯根表面をツルツルの滑らかな状態にして、歯垢がたまりにくい状態にするのです。
◆SRPを行うときの注意事項
1 歯の削りすぎに注意
歯根部分には硬いエナメル質がないために比較的簡単にセメント質が削れてしまいます。
過度の力が入り術中の疼痛、根面を過度に削りすぎると術後の知覚過敏を誘発することがあります。
2 歯茎の切開が必要な場合も
重度に進行した歯周病では、歯周ポケット奥深くに歯石が付着しています。スケーラーが届きにくく術中は出血もあり目視で確認することもできません。その場合、歯茎を切開して目視で確認できるようにしたうえでスケーリング・ルートプレーニングを行うことがあります。これをフラップ手術といいます。