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虫歯•歯周病の家族感染について

虫歯や歯周病にかかるのはなぜでしょうか。まず虫歯とは、歯の表面に付着した歯垢にミュータンス菌という虫歯をつくる菌が棲みついて糖分を栄養にして酸を出します。そして、歯は通常表面を硬いエナメル質で覆われていますが、酸によって溶かされてしまいそこに穴が開きます。この状態が虫歯の始まりです。

歯周病とは、歯の周りの歯肉や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。歯と歯肉の境目の清掃が行き届いていないと、多くの細菌が付着し、炎症を起こして赤くなったり腫れたり、さらに進行すると膿が出たり歯のグラつきもみられます。

虫歯と歯周病には原因菌が存在していて、人と人で感染します。特に家族間での感染が多く見られます。例えば夫婦間や兄弟、姉妹間の水平感染や、親子間の垂直感染です。

主な感染ルートは、

⚫︎箸、スプーン、フォークの共有

⚫︎コップの共有

⚫︎口移し

⚫︎キス

⚫︎歯ブラシの接触

など、唾液を介した場面での感染です。特に親子間ではスキンシップの中で、赤ちゃんに口移しをしたりキスをする親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、虫歯菌や歯周病菌から赤ちゃんを守るためにも上記の感染ルートとなり得る行為を避ける必要があります。

ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんの口腔内には虫歯菌や歯周病菌などの細菌は存在せず、無菌の状態です。

「感染の窓」と言われている生後1歳半前後が最も感染しやすい時期で、3歳を過ぎると大人からは感染しづらくなると言われています。乳歯が生え揃う1歳7ヶ月から2歳7ヶ月頃までに口腔内に棲みつく細菌類の割合がほぼ決定するので、この時期における子供の口腔ケアは一生を左右すると言えます。3歳までに虫歯菌、歯周病菌の感染を防ぐことができれば、非常に虫歯になりにくい口腔内環境を作ることができます。

家族間での虫歯、歯周病感染を防ぐためには、1人だけが一生懸命ケアしていても意味がありません。一緒に住んでいる家族全員で歯科医院での定期的な検診やクリーニングなどのメンテナンスを受診する習慣をつけ、細菌を減らしましょう。

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